ごあいさつ
インターネットに代表される新しいコミュニケーション手段の登場によって、メディア環境は急速な変化を迎えつつあります。こうした中で、従来十分な情報発信や文化表現の機会に恵まれなかったマイノリティや外国籍の人々を含め、シティズンによるメディア・コミュニケーション活動の可能性が広がりつつあります。
しかし、グローバル化という社会変化の中で、既存のメディア環境とは一線を画するオルタナティブなメディア環境を作り出していくためには多くの課題があります。メディアを通じた一般市民の日常の表現活動や文化実践を「公共圏」や「政治」とつなぐ課題、海外の研究者や文化実践者との交流を通じたグラスルーツのネットワークを構成するという課題、既存のメディアが構成してきた「公共空間」の再デザイン化、そしてメディア研究にもとづく批判的な知見を今後の新たな表現活動にフィードバックする回路を構築する課題など、未着手の多様な課題が存在しています。
このような状況をふまえ、早稲田大学 メディア・シティズンシップ研究所(WISMC)では、メディア文化を通じたシティズンの活動とアカデミックな研究とを架橋しながら、多文化状況や価値観の多様化が進展する中でオルタナティブな「公共圏」を構築するための理論的かつ実践的な研究を推進してまいります。
みなさま方におかれましては、今後ともWISMCへのご支援を賜りますよう、何卒よろしくお願い申しあげます。
2008年10月1日
早稲田大学 メディア・シティズンシップ研究所長
教育・総合科学学術院 教授
伊藤 守








