刊行物

記憶・暴力・システム――メディア文化の政治学

伊藤 守
法政大学出版局、2005年

「90年代問題」を生起させた社会的な変質をどう捉えるかを課題として、構造的かつ関係論的なコミュニケーションの「場」の問題を鋭く追究する。フランクフルト学派やカルチュラル・スタディーズの批判的検討を踏まえて、闘争・葛藤の過程としてのコミュニケーション、メディアの表象の政治性、公共の記憶の組織、権力のテクノロジーを明らかにし、メディアの可能性も展望する。


1 闘争としてのコミュニケーション(コミュニケーション理論の刷新と文化の批判理論)
2 メディア文化の政治性を問い直す(メディア・スタディーズにおける「階級」概念の再構築;テレビドラマの言説とリアリティ構成―「テクスト」と「読み」をめぐるポリティクス;抗争するオーディエンス―公共の記憶をめぐる対抗とテレビジョン;規律化した身体の誘惑―『オリンピア』をめぐる人種・ジェンダーの問題系)
3 社会システムの再編制(権力のテクノロジーと行為主体の再配備―情報化と社会的リアリティの変容;グローバル化とテレビの文化地政学―現代の戦争とメディア)
4 世界との応答関係(幽霊を見る遊戯空間―ベンヤミン以降のメディア論)